葉月のまったりブログ

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人間関係について考える ~傾聴編~

皆様こんにちは。葉月でございます。

「人間関係について考える ~傾聴編~」です。

このシリーズ記事がどういうものなのかは過去記事をご参照ください↓

 

leafkeylosttime.hatenablog.com

 

人間関係について考えるシリーズ第2弾。今回は「傾聴」という観点から人間関係を考察していきたいと思います。

 

さて、それではまず「傾聴」という言葉の意味について。

私の記事の中では「相手の話をきちんと聞いてあげること、そして理解してあげること」といった意味で用います。

今回の記事では人間関係の深さに関わらず大事な要素なので、4タイプの人間関係分類に固執するつもりはありません。

しかしながら、関係が深いものになればなるほど、この「傾聴」という姿勢が求められるようになっているように感じますので、深い人間関係を築きたいと思っている人は参考になるかも…?

前回考察した「自己開示」という考え方、その自己開示の受け止め方の一つとしても「傾聴」という姿勢があると思いますので。

 

 

最近ではプレゼンテーション力や発言力などに注目されることが多く、私の記事の中でも取り上げてみたいと思う内容ではありますが、それと同じくらいに大事だと思うのがこの「傾聴」です。

自分の話をするだけでなく、相手の話を聞くということ。

相手の意見や話を聞くことなく自分の発言力だけを鍛えても、偏りがあるように思えてしまいますので、「聞くこと」も是非注目して欲しいなぁと思っています。

 

1. 傾聴って?

傾聴という言葉の意味を先ほど取り上げましたが、この言葉の指し示す行為について説明していきます。

(私の思う)基本原則は二つだけです。

それは「『相手の話』として聞くこと」「その上で相手の気持ちに返答すること」です。

 

一つ目の「『相手の話』として聞くこと」ですが、自分を主格として聞くのではないという意味です。

英語なら "I listen to your talk" とか "I hear what you say" みたいな 、"I"(=私)というものが先行して話を聞く姿勢ではいけないということになります。

「あなたはこう言いたい」「あなたはこう思っている」といった風に少し分析的でもいいと思いますので、自分の考えたこと、感じたことではなく、「相手がどのように考えたか」ということを一番に考えるようにすることが大事だと思います。

 

自分が喋りたいことがあるのに、誰かが口を挟んでその人の話に持っていかれたことを苦々しく思った経験は無いでしょうか?

自分の意見、考えを一番に考えてしまうと話したがりな人は話を止めて自分の話をしたくなってしまうものです。でも、それだと話したかった人が不完全燃焼になってしまう。

まずは「相手」を主格において話を聞くことが大事です。

 

 

二番目の「(相手の話を聞いた上で)その気持ちに返答する」ですが、実はしばらく前まで、自分は最初のポイントとしか基本原則として捉えていませんでした。

しかし、これも大事だと友人との会話の中で気づいたことがありましたので、ちょっとだけエピソードを紹介したいと思います。

友人と将来について話をしていた際に、私は先に述べた「相手の話を相手の話として聞く」という姿勢で友人の話を、友人の考えと友人の感性のものとして理解しようとしていました。

しばらく話した後に、友人は「なんかいつもと同じ結論な気がする」と。

私がどういうことかと尋ねると、「何か結論めいたものが出たような気がするけど、何も解決していないような感じ」と言っていた。

友人は自分(聞き手)の意見や考えを求めていたのだろう。なるべく自分は、自分の考えや意見を表出しないようにしながら、でもやんわりと自分の意見が伝わるように聞く姿勢でいたのだが、友人は自分の意見を聞いた上での解決策を求めていたのでした。

 

このエピソードを通じて、私は「自分の意見を忌憚なく述べる」ということが重要だと主張したいわけではないのは、皆さまのご想像の通りです。

一見相反するように見える「相手の話を相手の話として聞く」ということと、「自分の意見を述べる」ことですが、この二つは会話のプロセスでしかありません。

相手の話を聞き、それに対する自分の考えを示すこと。

「君はこういう考えなんだね。私はこういう考えだよ」 

こう示すことは、互いの意見を確認し、互いの考えの視点を理解することに他なりません。

なので、最初に挙げた二つの基本原則は、どちらか一方だけでは不十分な「傾聴」になってしまうことを留意して欲しいと思います。

 

 

さて、私が挙げた二つの原則を踏まえて、井原氏 (2006)が著書の中で説明している内容について見ていきましょう。

1. 相手の言おうとしていることの全体の意味を聴くこと

2. 相手の気持ちに応えること

3. 言葉以外の表現、例えば、…声の調子、表情の変化、息づかい、姿勢、手や目の動きで気持ちの表現を知ること

これだけ見るとやることがとても多いように感じますが、1.3の内容は自分の中では「『相手の話』として聞くこと」において、注意すべき点(or注意出来る点)を挙げているに過ぎないと思います。

2の内容については、私が欠けていたとする二つ目の原則に一致するように感じます。

 

少し抽象的な話に終始してしまいましたが、具体的なポイントやコツにつきましては、3. 大事なポイントとコツの部分で説明していきたいと思います。

 

2. どうして傾聴って大事なの?

傾聴という行為について、その理念について説明してきました。

この章では、そもそもなぜ傾聴が大事だと思っているのか(なぜこのシリーズの記事で取り上げようと思ったのか)について説明していきたいと思います。

 

傾聴、つまり相手の話をちゃんと聞いてあげることは、最近の人間関係の中で零れ落ちている視点のように思えたからです。

私が感じているのは、「自己主張」に注目が置かれすぎているように思う、ということです。

 

想像でしかありませんが、SNSの発達において、自分の発信メッセージには文字を使う(気を配る)けど、他の人のメッセージにはいいねやスタンプで終わらしてしまう(相手の内容をざっくりと捉えて返信してしまう)という状況が生まれ、あまり他者のメッセージを気に掛けなくなったのかもしれません。

そして、「会話のようなスピードで(声音声ではなく)文字を媒介にする」事態が出来てしまったので、その情報量がそぎ落とされ、そもそも傾聴を心掛けなくても問題ないような情報量のメッセージに触れる機会が増えた、と考えることも出来ると思います。

教育においては、プレゼン、双方向授業などの発言を強く重視する授業スタイルがアイディアルであり、「主張」に力が注がれているように思えます。

もちろん反証なんていくらでもあるでしょうが、相対的に「聴く」ということが置いてけぼりに感じることは確かです。


さらに、ここからは持論になってしまいますが、人は話を聞いて欲しいと思う生き物だと思っています(どのくらいかは人によって異なると思いますが…)。

それぞれが、それぞれに自分の話をたくさん聞いて欲しいと思っていれば不均衡ですし、必ずしも会話をする人達の話をしたい欲をすべて満たせるわけではないと思います。

だからこそ、傾聴も自己主張も出来るようになれば(「調節」出来るようになれば)、相手を最大限に満足させることが出来る、と思っています。

自己主張を頑張ってしないといけない会話の場面は、自己PRの面接くらいしか思い当たらないので、傾聴を身に着けたほうが役に立つ場面が多いんじゃないかなぁと。 

 

3. 大事なポイントとコツ

「傾聴」という行為が何であるか、何で大事だと思うのか、という議論を踏まえて、実生活にどのように傾聴を用いることが出来るのか、具体的に考えていきます。

まず大原則でありますが、ちゃんと相手の話を聞いてあげることです。

大原則ですが、意外と実行するのが一番難しいと感じる部分かもしれません。

なぜなら、「会話に応答すること」も傾聴の大事な一側面であり、相手の話の文脈、論理、意見(さらには態度や話し方などの非言語的要素もありますし…)をそのまま受け取るのは骨が折れる作業ですからね。

そして、1で述べたように、相手の話を「自分なら~」という視点で見てしまうと、それは相手の話を「聴く」のではなく、自分の中で解釈してしまっているからです。


そこから派生し、「相手の話を否定しない」というのも大事なポイントだと思います。

ここで気を付けて欲しいのが、相手の「意見」を否定しない、ということではないということです。

相手の意見に反対を述べるのは、考えや視点が違えば当たり前のことであり、寧ろ互いのスタンスをはっきりさせる大事な場面になるはずです。

相手の「話」を否定しない、というものは、相手の話している最中に遮ったり、相手の話を頭ごなしに否定することをしてはいけないという意味です。

基準がふわっとしてはいますが、「ちゃんと話を聞いてくれているんだな」と相手に思ってもらうことが何よりも「傾聴」において必要なことだと思います。


あと、私がよく使っているテクニックのようなものを一つ紹介したいと思います。

それは「オウム返し」です。

相手の話の中で、大事な(と思った)単語、文章の大意をそのまま相手の言葉で返答してあげることです。

一例:「この仕事辞めたいなぁ」→「仕事を辞めたいのね」

聞き手が相手の言葉や文章に、さらなる意見や考えの展開を求める効果があると思います。言ってしまえば、話の内容の深堀にとても役に立ちます。

カウンセラーなどが用いるテクニックみたいですが、相手の話についていってますよ、というアピールにもなるので、個人的には便利な返し方打と思っています。

多用すると「なんで? なんで?」と聞き続ける子供に対して思う苛立ちを相手に抱かせてしまうので、あくまで1テクニックとして覚えておくと、返答に困った際などに用いることが出来るかもしれません。


2でも少し触れましたが、人は誰しも「認めてもらいたい」生き物だと思っています。

上で述べた3つのポイントやテクニックは、相手の話を聴いてあげることから、相手そのものを認めてあげることなのだとも思います。

「あなたの話はちゃんと聴くに値すると思うので、きちんと聴いています」といった姿勢の証明になりますからね。

そうすれば返報性っぽいですが、相手も自分の話をちゃんと聞いてくれるようになるかもしれません。

それが続いていけば、より不快感(or齟齬)の少ない、実りのあるコミュニケーションが可能になると思います。

 

4. まとめのようなもの

今回は、自己主張が求められることが多くなってきた世の中において、「傾聴」という、少し逆行しているような内容でございました。

2. どうして傾聴って大事なの?の項目でも説明しましたが、私がこの内容をチョイスしたのも、ある意味時代と逆行しているから、かもしれませんね。

「話をちゃんと聞きなさい」とかいう言葉は、小学校の先生とかがよく言いそうですけれど、やっぱり大事なんだなぁと感じる場面が多いです。

 

まだいくらか記事のネタが思い浮かんでいますので、頑張って更新していくつもりです。内容のうちの一つは、今回の「傾聴」をより深く発展させたものになる予定です。多分…。

 

それでは、皆様の良い人間関係生活をお祈りします(^^)ノシ

 

5. 参考文献

井原 伸允. (2006). 「聴き上手は、コミュニケーション上手―職場の人間関係、接客・営業、子育て、介護、ボランティア…すべては“聴くこと”で変わる」. ビジネス教育出版社.

杉原 保史. (2015). 「プロカウンセラーの共感の技術」. 創元社