葉月のまったりブログ

中の人の日常体験とか思ったこととかを雑記的に記していくそんなブログです。

107.5km歩きました。

皆様こんにちは。葉月でございます。

 

日本に帰国して早二か月。光陰矢の如しとはよく言ったもので、もう怠惰な大学生ルーティンが体にだんだんと慣れてきてしまいました。

改善しないとなぁ…。

そんなことを思いながら、今回は留学記に書いていたような、人生とか頑張って何かをする感じの内容とは違い、ただただ107.5km歩きましたっていう感想記になります。

正確にいうと、迂回ルートや家と最寄りの追加距離とか、休憩所(快活)までの寄り道とかで総計120kmくらい歩いているのですが、公式のルートとしては107.5kmということで、そんな感じで。

この「箱根駅伝」公式の往路ルートを、スタートからゴールまで歩いたぞ、というのがこの記事の主な内容になります。

 

目次:

 

何故やろうと思ったのか

有名な長距離ウォークとして、山手線一周、新橋~桜木町の鉄道初開業区間などの30km前後のお散歩が存在しますが、もっと長いものをやってみたい。

そう語る友人がいました。

箱根駅伝を実際に歩いたらどうなのかやってみたい、と言っていたような気もしますが…。記憶が曖昧です笑)

この友人と20km程度なら日常茶飯事のようにお散歩をしているので、確かにやってみたら面白いかもしれないと私も思いました。

私が留学に進む前、なんなら一人暮らしすらまだだった2021年の2月末。

大手町の読売新聞社前。箱根駅伝の往路出発地点に、私を含む6人の勇者(狂人)が集まりました。

何だかんだ100kmを越える長距離になるということで、各々気合を入れて準備をしてきたわけですが、30kmを超えた辺りから痛みが強くなり動かなくなっていく足。ただただまっすぐな道路。心が折れそうになりながら見えた道路の看板には「小田原まで26km」の文字。

箱根ウォーク初回は、ただ一人の成功者を除いて、全員が断念をしてしまいました。

100kmの壁は、信じられないくらい分厚かったのです。

私も初回は大磯駅近辺(60kmくらい)で断念してしまい、もっと頑張って小田原辺りまでは死力を振り絞って歩けば良かったかと思っていました。

そして2022年。

私がカナダに留学している間に、再び結集した勇者(狂人)たちはなんとほぼ全員が駅伝ウォークを完走していました。

(初回で成し遂げた友人は2回目も踏破してましたね…。変態だ。)

これはやるしかない。

カナダで地味にエヴァンゲリオンのアニメを全て見終えた私は、聖地巡礼も兼ねて、芦ノ湖の地に降り立つことを決意します。

そうして日本に帰国した後、気温(夜が寒くなく、かつ日中が暑すぎない)や天気(雨用のグッズはかさばる)などの条件を考えて、5月がいいだろうと思っていたので、実行の機会を待ち望んでいました。

これを成し遂げないことには、私の大学生活が終われない。

そう決意をして迎えた、2023年5月24日早朝。

私は再び大手町のスタート地点に降り立っていました。

 

箱根駅伝のルート詳細

お正月の丁度いい感じの時間帯にテレビでやっているので、なんとなくどこを通るか知っている人がほとんどかと思いますが、細かいルートは意外と知らないかもしれませんね。

ただそこまで複雑なルートではなく、かなり道なり&まっすぐに進んでいきます。国道1号線を通る区間が多いので、街道沿いの街並みと発展の歴史を楽しめます。

駅伝と違って車道を歩くことは出来ないので、信号停止や歩道橋を渡ったりとちょっとだけ面倒ですが、戸塚近辺の車両専用っぽい1号線の区間と、車両のみの西湘バイパス(平塚中継所から近くの道路)を除いて、ルートに準拠した形で歩くことができます。

箱根駅伝のルート


完全再現は難しいですが、戸塚近辺は22号線で迂回できますし、西湘バイパスは、平塚中継所を少し過ぎた辺りから1号線に入ってしまえば回避することができるので、距離も見る景色もかなり近いものに出来ると思います。

 

ざっくりとしたルート紹介です。

一区が東京から鶴見。大手町から三田あたりまでは409号線(日比谷通り)を進み、三田から鶴見まで国道15号線をひたすら進んでいきます。山手線、京急線沿いということもあり、高い建物も多く、目まぐるしく風景が変わっていく様子を横目に歩くのはかなり楽しいです。

二区が鶴見から戸塚を少し超えた辺り。鶴見から京急線の神奈川(横浜近く)までは国道15号線。横浜からは国道1号線を進んでいきます。戸塚近くで車両だけっぽい道路があるので、22号線で迂回します。

下の画像で上側が国道1号線になりますが、歩道的にも下側の22号線を通っていくほうが歩きやすかったりします。このルートだと戸塚駅を通ることになるので、遠くまで歩いてきたという実感が湧くのもこのルートのいいところですね。

下のほうのコーナンの文字が見える辺りが戸塚中継所になります。

三区が戸塚から平塚の辺り。戸塚から藤沢バイパスまでは1号線。そこからは30号線で海に向かって下っていき、浜須賀歩道橋から海を左に見ながら134号線を進んでいきます。箱根駅伝的には海が見えるいいスポットらしいですが、歩道を歩いている分には潮の匂いを感じる以外特に何もなく、けっこう退屈しがちな区間です。

 

四区が平塚から小田原を少し超えた先。中継所から少し進んだ先のところで、大磯駅に曲がって入っていく部分から1号線に戻ります。基本的にそこからは134と1号線は並走して進むので、似たルートで走ることが出来ますね。

今回私が行ったときはルートを少し間違えて、中継所近くからすぐに1号線に抜けるように大きめに迂回をしてしまいましたが(たまやとかローソンを通る道路)、まぁ誤差だよ誤差()

 

五区が小田原から芦ノ湖までです。ひたすら1号線を進んでいきます。この区間は山登りで、全然下る気配がないままにとにかく登っていきます。

ゴール前5kmくらいで国道一号線の最高地点を通過し、そこからは下り勾配になっていきますが、登って足に疲労が溜まった後、下りで一気に膝を破壊しに来るという、中々に初見殺しなルートとなっています。

元箱根が見えるとゴールはすぐ近くとなり、テンションが上がって楽しいです。ただ地味に2kmくらいあるので遠く感じますけどね…。

 

歩いてみて。1~5区の感想

1区は午前中で天気も良かったし、それなりに景色の変化が激しい区域なので、ここが一番ラクでした。

なんだかんだ20kmってちょっと足が痛くなり始めるくらいでお散歩が楽しめる距離なので、エンジョイするならここだけ歩くのもいいかもしれません。

神奈川県に入ったら30分~1hくらいで鶴見中継所に到着するので、けっこうあっさりと歩き切ってしまいました。


そして2区は、だんだんと足の痛みと疲れを感じ始める区域でした。

鶴見~横浜までは国道沿いに見どころもけっこうあり、京急に沿って歩いて楽しむことが出来ますが、横浜を過ぎるとつらさが見え始めます。

保土ヶ谷~戸塚の区間において、東戸塚~戸塚が地味に遠い&風景が単調になってくるので、風景の変化で進んでいる実感が得にくくなります。

横浜までで大体30km近辺となり、長距離ウォークとしていい具合に足が痛くなるのに、普通にそこからも全然歩くので、足の痛みが本格化してくるのがこの辺り。

箱根駅伝的には権太坂がけっこうきついらしいですが、歩いている分にはほとんどきついと思うことがなく。気づいたら権太坂を登り切っていたので、まぁ走るのと歩くのだと違うんでしょうかね。

戸塚駅に到着するとかなりテンションがあがります。江戸時代とかだと江戸~戸塚宿で大体1日の移動距離だったらしいですが、大して歩かない現代人なのに、まだ歩くわけですからきつさが加速していきました。


3区は足の痛みのきつさが激しくなってくる区間です。

45km辺りで足に異物感があったので確認してみたら豆ができており、「あー出来ちゃったか」となった区間ですね。

100km歩くとなると豆が出来るのが当たり前なので、もはや地面を踏みしめる時に痛みで歩くフォームが乱れないように、ということしか頭にありませんでした。豆なんて気にしてたら歩けません()

この辺りで一度本気で辞めたくなり、でも足を止めると歩き出すのが痛いから歩く、という意味の分からない行動を取っていました。

それでも歩こうってなったのは何だかんだ134号線に入って、浜辺と夕日を見たのが大きいかったですね。

今回の歩きは速度も重視しており、ペース的に夜ご飯を食べるいいタイミングと場所が無さそうだったので、おなかが減ったら食べようとコンビニ飯を適当に購入し、海岸沿いを歩きながらおにぎりをつまんでいました。

特に134号線の区間ですが、絶妙に公共交通機関へのアクセスが悪い場所を歩くことになるので、現実問題としてこの区域でリタイヤをしても帰るのが大変で、しんどさがあります。

ここを通過する時間帯にもよるとは思いますが、海を見れるわけでもなく、林の隣を5kmくらいずっと歩く区間があるので退屈への対策は必要かなぁと。

平塚中継所で写真とか取りたかったのですが、足を止めるとしんどいというのと、DQNっぽい見た目の人がスケボーで滑走していたので近づけませんでした()まぁ通過したのでヨシ!

 

4区は…、この箱根ウォークの中で一番きつかった区間ですね。

何がきついって、体は疲れているから横になって休みたいし、ずっしりと全身に重りがかかっている感じがあるのに、休もうとしても足が痛いし、体は運動というか緊張状態になっているから全然休めない。

3区の辺りからずっとそうでしたが、足を止めて休憩すると、歩き出しで足に激痛が走るんですよね。

泳ぎ続けないと死ぬマグロかって感じですが、足を動かしていないとつらい。

まぁでも流石にここからまだ40km以上あったし、山越えの区間が待ち構えていることを考えて、休息を取ろうと大磯で15分くらいベンチに寝転がっていたら体ががっつり冷えてしまい、このタイミングでも本気で辞めようか悩みました。

歩き出そうとすると足にくる激痛、朦朧とする意識、着きそうで全然つかない小田原。

前回とほぼ同じ場所で辞めようか悩みましたが、同じ場所でまた挫けたら結局自分が成長していないみたいですごく嫌だったので、足をほとんど引きずりながら歩きを再開しました。

知らない道を歩いているのに、頭の中に浮かぶのは辞めたいと思う自分から逃れるための説得の数々。

元々の予定は夜通し歩くつもりで、深夜近辺で軽食でも食べてエネルギー補給をしようと考えていましたが、大磯~二宮間は本当に何もない。いや、あったのかもしれないけれど、その時の朦朧とした意識では認知できませんでした。

歩道の小さな坂の一つ一つを歩くたびに足が痛み、疲れと眠気で意識がもうろうとしてくるも、頭は痛みで覚醒状態を保たされ、一秒一秒がとんでもなく長く感じました。

普通に歩いても大磯~二宮区間が長いので、先の見えなさでも精神的に折れそうでしたが、ほとんど惰性と執念で歩いていました。

二宮駅前の看板が見えた時には、「一歩ずつでも歩くと前に進むんだ…!」と、今考えると当たり前なことにすごく感動した記憶があります。

そこからもう少し進み、国府津が見えると、これは本当に行けるのでは? という気持ちになりました。

(距離的には大磯~二宮が6kmくらい、二宮~国府津が4.5kmくらいなので、そこまで距離的には変わりませんけれど、大磯~二宮間はとんでもなく長かったです…。普通の状態で歩いたらどう感じるんでしょうね)

箱根バスの時刻的に、箱根を夜通しで歩いて越えても接続が良くなさそうだったので(後でしっかりと調べたら朝でもバスはありそうでしたが…)、快活クラブで休憩をすることに。

地味にラス1だった鍵付き個室を確保して、部屋に入って横になったらもう寝てました。隣でオンラインゲームをしている住人がなんか騒いでいたような気もしましたが、寝ていたので記憶が曖昧です。

ちょこちょこ快活で泊まることはありましたが、あそこまで快活でぐっすり寝られたのは初めてでした。やっぱり人間疲れて寝るのが一番気持ちよく寝れるんだなぁって。


5区は快活クラブ鴨宮店からスタート。

寝起きでもう足が痛く、このまま鴨宮から帰ったら普通にちょっとつらかった散歩だなとか思いましたが、Google Mapで距離を確認したところあと30kmくらいだったので、まぁ歩くかぁ…と消極的になりながらも出発。

どうでもいいですけれど、快活のナイト8hパックは信じられないくらい安いのでこの企画みたいな限界旅にはオススメです。学割こみで1700円くらいでした。ドリンク飲み放題&個室でこれはすごい。

朝ポテトさえ残ってくれれば…涙

まぁそんな感じでもうちょっとだけ頑張るかと歩きだしましたが、小田原は城下町っぽい景色がけっこう楽しい場所ではあります。

箱根は江戸時代から難所として知られている場所で、私自身徒歩で突破するのは初めてだったので、かなりワクワクしていました。

温泉街っぽい雰囲気がある、小田原~箱根湯本までは歩いていて楽しかったけれど(途中の道がちょこちょこわかりにくかったのは許しがたいが)、そこからが正念場でした。

まず湯本の辺りまでは歩道があるのでいいのですが、そこから先の国道1号線は、道路が車とバス専用みたいになるので、歩行者の人権がなく、葉っぱや小枝が乱雑している整備されていない側道を歩くしかありません。まぁこんな場所を駅伝再現で歩く人なんてそうそういないでしょうし、仕方ないですが。

そういう訳で、私のスレスレを車やトラック、バスがビュンビュン通り過ぎていくので、疲れで頭がぼんやりしているのに、車に気を付けないといけないのが精神的に疲れます。

バスに何度も抜かされるので、途中何回も「元箱根港まで連れてってくれないかなぁ」と思うタイミングが訪れました。

山の5区と言われているくらいこの区間はひたすら上がっていきますが、上りは意外と大丈夫です。足の痛みは限界をとっくに突破しているので、上り坂で痛みが加速するとしても誤差()

休憩の回数を増やせば、何だかんだ耐えられる区間だと思います。

ただ問題なのが、ひたすら細い道路を歩いていくので休憩を入れにくいんですよね。

小涌谷近辺までは箱根登山鉄道の駅周辺だけ建物があるので、それを目安に休憩していくといい感じにペースが取れますが、最後のほうは休憩の取り方がイマイチ分からなかったです。なので、バス停近くの小さなスペースに座り込んで休憩を取ってたりしていました。

椅子に座っても、ふくらはぎに体重がかかって痛く、足を伸ばして倒れこむように休憩していたので、はたから見るとかなりヤバいやつだったなぁと。

無心で歩いていたとはいえ、国道1号線の最高地点の看板、元箱根や芦ノ湖が見えた時には興奮しましたね。

元箱根の入口についた時にはZardの「まけないで」が頭の中でループ再生されていました。もう、ゴールしてもいいよね…?

そして元箱根港近くの箱根駅伝往路のゴールポスト、駅伝ミュージアムなどに到着し、大手町から107.5km、32時間くらいかかってゴールしました。

 

完走した感想

特に4区の間、途中100回くらいは辞めて東海道線に乗って帰りたいと思ったけれど、ゴールした後、おみやげを買いながらバスを待っていた間、「終わっちゃったのか」と寂しい気持ちになりました。

折れそうなタイミングは幾らでもありましたが、大きかったのは大磯~二宮間で折れずに歩けたことかなぁと。

なんとなくこの箱根ウォークは人生のエッセンスがあると思います。

つらいときや大変なときは頑張っていたとしても全然前に進めている実感がないけれど、歩ききってゴールしてやるという気持ちで足を進めていると、振り返った時に相当なものを達成できている、という感覚。

つらい時って、頑張っていても成長とか進捗の実感が得にくいよなぁと。

2年ごしの自分に対しての課題が一つ解消できたので、嬉しいと思うと同時にちょっとだけ寂しくもあります。

もうやりたいとは思いませんが、復路だと全く違った感じになりそうでちょっと興味はあります。復路なら最後の区間が歩きとしてはラクだと思うので、どんな感じなんでしょうかね。

 

とまぁそんな感じで、少しだけ自分なりの意味や解釈も持ちつつも完遂した箱根ウォークの記録でございました!

精神力を試すという意味ではけっこういい企画だと思うので、良ければやってみましょう()

ではでは~ノシ