葉月のまったりブログ

中の人の日常体験とか思ったこととかを雑記的に記していくそんなブログです。

カナダ留学、第2フェーズを終えて

皆様こんにちは。葉月です。

 

冬も終わりに近づき、だんだんと春の陽気が体を包むような気候になってきました。バンクーバーにもようやく春が訪れてきたようです。

桜も芽吹き始め、カナダに初めて到着した時、空港から眺めた桜をまた再び見ることになったのだと考えると、実感とは違うものの、1年という時間が経ったのだと自覚させられます。

ようやく、というか何とかカナダ留学を終わらせることが出来ました。

この1年はとにかく長かった…。前回の留学はここまで長く感じなかったので、さらに密度の濃い日々を今回の留学は送れたのでしょうか。

「いやまぁ2回目の留学だし」とか言っていた自分が遠く昔のような気がしてきます。カナダはカナダで別の大変さがありましたので、ベルギーの時とどっちが大変だったかと聞かれると、比較するのが難しいです。

前回の留学みたいに小説っぽい文章にしようか迷いましたが、今回は仕事をしに行った留学でもあるので、感想も交えながら、ちゃんとした感じのまとめとして書いていこうと思います。以前に出した1年のまとめの記事と重複する部分もございますが、ご了承ください。

 

 

目次

 

 

後半6か月の振り返り

前半の6か月が専門学校での学びのフェーズであったのに対して、後半の6か月はフルタイムを行うフェーズでした。

フルタイムを獲得すること自体がかなり難しかったというか、前半は前半で大変でしたけれども、フルタイムをやることは、自分が想像も出来なかった別の大変さがありました。

前半の話は過去記事にて語っていますので、宜しければどうぞ。

leafkeylosttime.hatenablog.com

 

まぁそりゃ日本ですらやった経験のないことを異文化でいきなり始めるんですから、普通に大変だろうという話なんですけれども、フルタイムを始める前の私は何故かいけるだろうと過信している所がありました。

フルタイム全体の学びとして、人と協働しないと仕事自体が回っていかないこと、仕事の内容、自分の人生の中で仕事をどう位置付けるか、視点の高さの調節など、恐らく新卒で入って体感したであろうことをいろいろと突貫的に学ぶことが出来た気がします。

まずは人との協働についてですが、仕事をするにしても以下のような形でけっこう長いフローがあります。

 

営業-> コンペ (大体1つ以上の会社に受注して、どういった仕事内容をどういう金額で行うのかの競争をするのがよくある流れらしいです。ここの部分は見たことがないので少し曖昧ですが)

-> 要件定義(顧客と交渉して、仕事内容と金額、プロジェクトの期間などの契約締結)

-> キックオフ、チーム作成

-> 打ち合わせ。具体的な提供物や顧客のニーズのインタビュー

-> 作業、顧客との打ち合わせ。プロジェクトの進捗報告とQ&A

-> まとめとハンドオーバー。(今後も継続的に仕事を行うための)次のステップの示唆

 

要件定義の部分なんかは比較的役職が高めな人が当たりますし、チーム作成や作業といった部分はチーム単位で、ジュニアが作業をしつつ、シニアがその確認と難しめの作業、マネージャーがプロジェクト全体を統括する、という風にいろんな人が関わってきます。

いろんな人が関わってくると、当然のように思惑、考えのずれが発生するのが常でして、それを擦り合わせること、作業を手分けすることが必要です。

プロジェクトにもよるとは思いますが、例え手を動かすのが仕事の大半であるジュニアとして働いていたとしても、意見を出すこと、意志決定のプロセスに関わっていかないと仕事がしづらく(作業がしづらい)。

他人といつでも話をして意見をすり合わせられますよ! という状態で仕事をすることが求められるとでもいいましょうか。

そういう方向性でのコミュニケーション力って必要なんだなぁと学べたことが大きいです。

関連して、視点の高さの感覚の違いを得られたのも大きいです。マネージャーとジュニアではプロジェクトに対する視点が違いますし、パートナー、ディレクターともまた違います。

具体的な作業やプロジェクトの成果物に意識が向くのがジュニアであり、プロジェクトの進捗やリソースの配分が上手くいっているか気を遣うのがマネージャーであり、パートナーになると恐らく顧客との関係維持やプロジェクト全体の利益などに目を向けていると思います。

このようにプロジェクトに対する視点が違うと(というか視点が違うので)、意見や考えのすり合わせが難しくなりますし、どういった切口でコミュニケーションを図ればいいのか分かりにくいです。

葉月は幸いにも上流から下流までプロジェクトを見渡す機会がフルタイムの後半3か月にあったので、視点の高さの切り替えの感覚を少し理解した気がしました。

同じ視点でのすり合わせは容易ですが、視点の違う人の考えを理解出来ない、と放置せず、そもそもどういう視点で物事を見ているのかの理解から入ることが、人とどう協働するか、という課題に対しての一つの答えになるんじゃないかと感じることが出来ました。

 

そして、フルタイムで仕事をするなら仕事の内容はやっぱり大事になると思います。

一日の内の8h(以上)を使うのだから、金のためと割り切ったとしてもあまりに長い時間を取られることになります。ただ、仕事の中身が100%面白いということはあんまりない気もするので、そこら辺のバランスをどのくらい許容できるか、という視点があると一つの基準にはなりますかね。

そして仕事の内容が大事といっても、やっぱり時間は余るものです。土日など、疲れたとしてもゴロゴロしているだけだと時間を浪費することに危険性を感じると思うので、独学とか自分の好きなことするなど、仕事外の時間も使い方もまた大切だと思いました。

どっちも大切、みたいな月並みなことを書きたいのではなく、生きていく中で仕事と自分の人生を切り離して語ることが出来ないといいますか、どちらかを犠牲にして一本に絞る、ということがない生き方がいいんじゃないかなぁと考えています。

 

 

こみいった仕事の話になっちゃいましたが、次は後半6か月を時系列順に見ていきます。

9月末~10月。フルタイムを始めたばっかりで、まずは仕事に慣れよう、というはずの時期なのですが、この時期にボスキャリ(ボストンで開かれる、海外留学生を対象にした就活フォーラム)やら副業のSNS運用やらにも手を出しており、稼働時間がすごいことになっていた時期です。

その当時は「何かちょっと忙しいな」的に思っていたんですが、後から振り返るとどうやって生き延びていたのか不思議なくらいで、留学の山場でした。

タスクが少し制御しきれなくなっていたので、優先順位をつけて物事を片付けようとしていましたが、仕事だけでかなり手一杯だったので、いろいろと管理しきれず…。

特に人間関係についてはかなりきつい時期でした。

慣れない仕事で毎日少し緊張しながら仕事をしていたのにも関わらず、いろいろと要素を加えようとしていたので、ここを乗り越えられたのは自信になりつつも、こういう無茶はしちゃいけないなぁと、留学での反省点の一つでもあります。

また7月の辺りからタダで英会話レッスンが受けられるとのことだったので週1~2ペースで少し英会話をしていましたが、それが10月にちょうど終わり、かなり高評価をもらったので、英語の側面においてフルタイムへの自信が少しずつついていった時期でした。

 

11月。初週がボスキャリ本番で、お祭り騒ぎでした。

9月辺りからESをぼんやり考え始め、事前面接、Webテストなどのピークが10月、それなりに通過したりしなかったりでボストンに向かいました。

そもそも対面で就活イベントに参加したことが今まで無かったので、一番初めに抱いた感想が「みんなスーツ着てる、面白い!」とかいうくらい気楽な感じで。

元々ボスキャリでは内定取れたらいいなぁ~くらいにしか考えてなかったので、あまりがっつりと内定を取ってやるといった気持ちはありませんでした。なので面接がトントンに進んだりしたりした時は普通に驚きましたね。

そしてボスキャリには「ディナー」と呼ばれる、人事やパートナーの人と夜飯を食べるイベントが存在するのですが、葉月はこれに誘われたくてボスキャリに行ったといっても過言ではないくらいディナーを楽しみにしていました。

そんなディナーにも参加出来たので葉月的には大満足のボスキャリでしたが、戻ってきて体調とメンタルがダウン。

10月でいろいろと取りこぼしていたことのメンタルのツケが回ってきたといいますか。

ボスキャリはお祭り感覚で楽しみながら活動出来ていましたけれど、バンクーバーの日常に戻った途端、糸がプッツリ切れた感覚がありました。

また中旬くらいに人事異動で直属の上司が変更され、仕事の責任も含めて独り立ちをかなり要求されるようにもなり、この辺りは生きていくので精一杯だった記憶があります。

 

12月。11月の底辺メンタルを引き継ぎながらなんとか仕事をしていましたが、11月末~12月頭くらいで一気に具合が悪くなり、気管支炎になって吐き気と熱と咳と鼻水が一気にやってくるなど、これまた別の意味で生きるのがつらかった記憶があります。

リモート診察を受けたり、徒歩5分の薬局が無限の彼方に感じる体験をしたり、リモートワークを3週間くらいずっとやったりと、まぁそれはそれでユニークな体験をしました。

前回のベルギー留学の時は保険を使った記憶が全くないのですが(多分加入はしていた)、今回はきちんと使うことになり、民間保険のサービスのレベルが違いすぎて震えました。深夜でも対応してくれるなんて感動だぁ…

そして北米あるあるなのか分からないですが、年末が近くなると人々が浮足立っていき、仕事が年内に終わら無さそうなら「来年でよくね?」みたいな感じになっていたので、HPが赤ゲージの葉月もギリギリ耐えていました。

だんだん体力を回復させつつ、年末の1週間の休みでは独学や副業に力を振って進めることが出来たので、最終週は満足のいく時間を送れました。

 

1月。いろいろな偶然が重なって自分の携わるメインプロジェクトが1つだけ(!)しかなかったので、1月からフルタイム最後まで仕事がかなりスローだった時期です。

留学の残りの時間を意識するようになり、Analystとしてのスキルを独学をしながら、自分磨きもかねてジムに通うようになったのもこの辺りの時期でした。

仕事にも慣れ、自分の代わりとなる新人さんも中旬から加入していたので、テンプレの作成や新人教育など、なぜ4か月目の自分がやっているのか不思議でしょうがないことをやり始めていました。

メンタルはイマイチだったものの、仕事のキャパが少なめだったので、そこまで生活がきついと感じることはなかったです。

メインのプロジェクトは仕事最終日まで携わる形になりましたが、シニアもマネージャーも自分にけっこう信頼を置いてくれた人たちだったので、ほぼ全ての作業を自分がリードすることが出来ました。

 

2月。プロジェクトでの作業量が減っていたので、新人教育や作業の効率化をしたりと、会社内部での作業に力を振った時期です。

内部作業に力を振った所で時間は余ったので、独学に力を振るようにしましたが、やる気によってかなり進捗が変わる感じになり。

ゴールを設定してそれを埋めていくように独学を進めたほうがモチベが落ちないかなぁとかいろいろ考えたりしましたが、毎日時間を設定してやっていくのが一番コンスタントに勉強出来た気がします。

2月の後半からは自分が今までやっていたことを、新人さんに画面共有してやってみせたり、逆に画面共有をしてもらってチェックしたりとジュニアとシニアの中間みたいなことをしていました。

「このレベルでジュニアの給料か?」という思いも少しあったりしましたが、まぁ仕事量自体は減っていたからなぁ…。

そんなこんなで独学にかなり力を割いていた2月でしたが、学んだことが概念的、テクニック的に仕事に反映できるのがかなり面白く、フルタイムをして寧ろ勉強が楽しくなったこともありました。

 

3月。生活の効率化や独学がひと段落していたので、少しゆっくり目な日常を過ごしていた時期です。

この辺りでメンタルがかなり回復してきたので、メモ書き、思考を紙に残すことを重要視しつつ、帰国後の生活をぼんやりと考え始めました。

プロジェクトのまとめや課題に出会った時の対処など、仕事に慣れるにつれてそれなりに器用にこなせるようになっていたので、自分の仕事的な成長を実感し始めたタイミングでもあります。

最終日にはけっこうな数の人がオフィスに来てくれるなど、自分がここの場所で成し遂げたことを振り返る機会が多かったので、いい環境に恵まれたなぁと思うばかりです。

 

生活の学びは後ほど語るとして、フルタイムに慣れるまでの忙しい日々と、慣れてからの生活の改良と知識の体系化と、自分のフェーズに合わせていろいろと考えながら動きを変えていけたのが、何より自分としてプラスだったなぁと思いました。

フルタイムは大変なので、最初はいろいろ詰め込まないようにしたほうがいいですね…

 

フルタイムの仕事内容、会社の感じなど

私がフルタイムでやっていた仕事内容としては「Google Analytics 4 (GA4)、Google Tag Manager (GTM)を主としたウェブサイトのトラッキング、および活用法の導入」というのがjob descriptionに書いてありそうな感じの説明になります。

まぁ分からないですね。

ECサイトがいい例ですが、商品を購入する前に、商品をカートに入れたり、品物をお気に入りしたりと購入の前にいろんなステップ/消費者行動があり、ウェブサイト上のそういう一連の行動(カートに追加 -> クレカ情報記入 -> 購入など)を収集して活用しようとするのが自分の仕事分野の一つです。

別にECサイトに限った話でもなく、ウェブサイトに様々なトラッキングを設置して、その情報から、ユーザーにとってもらいたい行動を促進するようにデータを活用することが自分のざっくりとした仕事領域です。

あとは自分の会社が広告運用もしている(というかそっちが会社的にはメイン)ので、広告の成果を測るためのトラッキングタグを設置したりと、ウェブサイトのトラッキングに関わる話なら大体カバー範囲になります。

顧客に対してプレゼンを作成したり、アドホックな質問に答えたり、ダッシュボードを作成したりと、その他諸々の作業もありますが、基本的にはGA4とGTMを弄るのがお仕事でした。

 

仕事時間としては、9-17時とよくあるフルタイム時間でした。日本では雇用契約書を見ると昼休憩時間1時間を給料からみみっちく引いてきていることが多い気がしますが、こっちでは9-17時で実働時間8hとして認識されます。

昼休憩も拘束時間なんだし、実働時間に入れてもいいと思うんだけどもなぁ…。

一日のスケジュールとしては、午前中がクライアントとミーティングだったり、一日の予定をチームと確認したりして、午後にタグを導入したり、プレゼンを作ったりなどの手を動かす仕事をする感じです。

自分的には午前中のほうがバリバリ仕事が出来るので、ミーティングが無い日は午前に難しめの仕事、一日の流れを作っておき、お昼を食べてからはまったりやる感じにしていました。

とはいっても最初の2か月くらいはペースの作り方とか仕事のやり方とか全く知らない中で仕事をしていたので、毎日ヘトヘトになっていました。8時間は長いです。途中休憩をしても普通に目は疲れますし、腰は痛くなりますからね(そのくせボスキャリをしていたのだから本当に頭が悪かった。いやそこしか時間が無かったのですが…)

 

会社の雰囲気はけっこう良かったです。人当たりのいい人が多く、日本のフルタイムイメージとして持っていた、ストレスに耐えながら仕事をする、という雰囲気はありませんでした。

求められるクオリティ以上で成果物を出さないといけないプレッシャー、という意味でのストレスは無くもないですが、比較的ストレスフリーに仕事が出来ていた気がします。

これは個人個人というよりも雰囲気が重要な要素で、個人間で競争する感じの仕事の進め方ではなかったというのが大きいのかもしれません。

まぁ仕事で協働しないといけない、という話にも通じますが、広告を運用しているチームとは緊密に連携して働かないといけない(当たり前ですが計測したいイベントを指定するのは広告を運用する側)ので、人当たりを良くしておかないと仕事がやりづらくなる、というのもある気がします。

 

あとは、北米らしいかどうか分かりませんが、あんまり労働時間で縛る感じはないので、体調悪いとなったら普通に3日くらい休んでも問題ないですし(プロジェクトに支障が出てもまぁその人が回復したら進めようねって感じの雰囲気)、そもそもミーティングに出席して期限までにタスクをこなしていれば、いつ何をしていようがあまり気にされません(9-17hの間は当然連絡が来ますが)。

リモートになるとより時間を自由に使えるので、眠い時は普通にベッドで寝てたりもしてました(寝すぎて連絡が溜まっていた時には震えましたが…)。

そして恐らく世界共通だとは思いますが、プロジェクトごとにマネージャーもチームも異なるものの、マネージャーが無能だとマジでグダグダになります。

自分が抱えていたサブのプロジェクトの内の一つが、明らかに2週間くらいの仕事内容なのに4か月かかっても終結せずに私の最終日になり、上司に引継ぎをした時、二人で「このプロジェクト終わってんなぁ~」みたいな会話をした記憶もあり。

自分の場合は上司がかなり頭の良い人だったのでやりやすかったですが、上司が無能だった場合を考えると頭を抱えたくなりますね。

 

そして気になる(?)給料ですが、年棒制だったので、年収が24分割されて月に2回支給される感じでした。

残業代は…、あるんですかね? 少なくとも、自分のように下働きが主な仕事になると、労働時間にがっつり縛られていないため、効率的に仕事をこなすだけで時間対給与のコスパが良くなりますが、私の上司はスケジュールにミーティングがぎっしりつめられて残業をしてそうなのに、残業代とかの話を聞いたことがないです…。

なんなら残業代の話は同僚との会話で聞かないですし、アメリカではwhite collar exemptionとかいう特定職には残業がつかない法律があったりするので、地位が上がると中々闇が深い感じになってそうでしたね(ただこれって日本も役員になったら残業がつかないみたいなのがあった気がするので、それと同じ感じ?)

 

元々フルタイムをするというのがどういうことなのかを知りたくて留学に来たので、フルタイムの感覚や、会社のいい雰囲気のベンチマークを手に入れることが出来たのが何よりも大きいと思います。

 

留学全体として学んだ/思ったこと

まずは留学の目標を振り返りたいと思います。去年末で少し目標を変更しましたが、元々の目標として、「Digital Marketingを学びたい」「日本で就活とかをやる前に、海外でフルタイム勤務をしてみたい」「自分が自分で誇れるような頑張りをしたい」というものがありました。

そして、年末になって「フルタイムをしながらの自分の人生の時間の使い方を模索する」「思考や体験をメモにまとめる」として、これからも使えそうな生活の経験値を貯めていくことを主軸にしていました。

適当にまとめるなら、自分が掲げた目標は全て達成することが出来たんじゃないかと思っています。

Digital Marketingを学び、カナダでフルタイム勤務を半年することが出来たこと。プロジェクトが軽くなるにつれて、自己研鑽を含めた自分の人生の時間の使い方を模索したこと。なにより、この留学の1年で頑張ったことは、自分にとって誇れる努力をした体験となっていること。

思考や体験をメモにまとめることは、あまり時間をかけてじっくり取り組むことが出来なかったので、日本に行ってからも継続する課題となりますが、自分がやってみたいと思うことにとにかくチャレンジと努力を重ねることが出来た期間だと思います。

100%満足のいく結果とはならなかったとしても、そこまでの過程でいろんな試行をすることが出来たと思っているので、満足のいく留学生活でした。

 

今度は北米と日本で違いを感じた点ですが、まず目につくのは家の大きさ、土地のスケール感の違いですね。日本の住宅街のようにきっちりと敷き詰められている感じが無くて、広々とした感じがけっこう好きでした。

そういった所は緯度的にも北海道に近い所があるかもしれません。面積の違いだとは思いますが(日本は面積が38万km2でその内2/3が森林。北米は998万km2(カナダ)、983万km2(合衆国)で森林はざっくり35%くらい)。

あとは地震とかの天災が少ないことに起因して、本当に高いビルやマンションが都市部や沿線沿いに出来がちです。

葉月は縁があって、1回だけかなり高いビルの57階の部屋に行ったことがありますが、そこまで高所恐怖症ではない私ですらかなり怖かったです。ここで生活するのはちょっと躊躇いますね…。

ただ国土が広い弊害か、車がないと移動がかなり不便です。欧州でも似た感じではありますが、あっちは交通機関が大してないからというのに比べて、こっちは交通機関が発達してても国土が広いから交通網にも限界があります。都市部の真ん中で暮らすなら交通機関に頼れるけど、そうでない限りは車は必須でした。

まぁ運転免許を持っていない葉月はそういう意味で人権がなかったので、あまり交通機関の外にお出かけをすることが少なかったように感じます。

さらに北米の特徴と言えば、行きかう人々と多言語ですね。中国語、スペイン語などなど、普通に道を歩いているだけで沢山の異言語が耳に入ります。耳に入る言語を聞き分ける遊びが出来るので、個人的にはめちゃめちゃ楽しかった。

そして社会は統一感がなく、何だかんだ人種で固まっているイメージです。それぞれの人種が集まってコミュニティを成し、モザイク状に分布しているような感じ。何より歴史的にも移民が相当の割合を占めている土地柄で、公用語の英語であっても、第二外国語として話している人がほとんどなように感じます。

 

さて、この1年をざっくり振り返って思うのが、とにかくこの1年は長かったということ。

1年という期間を長いと感じるか短いと感じるかは人次第な所があると思いますが、私個人として、この留学期間は長距離を短距離のスピードで走っていたような気持ちでした。

持続不可能といいましょうか、まだまだ長く時間が続くのに、日々にいろんなことを詰め込んでがむしゃらに努力をしていたと思います。

特にそれが顕著だったのが7月中旬から10月までのフルタイム準備と慣れの期間、ボスキャリ準備で、なるべく早い段階で結果を出そうという側面ではプラスでしたが、生活にボロがいろいろ出ていました。

ボスキャリを終わらせて留学が終了するなら、そういう無茶も悪くはなかったのかもしれませんが、そこから留学が普通に続いているという時間感覚の欠如があったような気がします。

少し気合を入れて頑張りたい時はあるにしても、安定しない無茶な努力を長期間行うのは反動を生み、11月から3~4か月くらいは失速していたことを鑑みると、やっぱりいい努力の方法じゃなかったなと思いました。

 

前の内容とも繋がりますが、葉月はこの留学で「頑張ること」に対していろいろな視点を手に入れたと思っています。

この留学時期は「頑張った」時期として思い出すような時間を過ごしていたと思いますが、それでも無茶やストイックが度を過ぎていたと思う部分があったので、今後の課題ですね。

留学のこと以外に2番目、3番目で大事なことがあったとしても、留学に100%の力を注いでしまったら、留学が終了した時に1番大事になるものに力を割けない。

葉月は比較的ストイックな人間ではありますが、この1年は輪をかけて、日々の効率化や努力をしようとした時期なので、こういう負担のかけ方も改良していかないといけないなぁと思うばかりです。

 

 

次に、ベルギーという国に10か月住んでいた経験も加えて、外国に住むことについて少し考えてみました。

私自身、雑草のように生きていこうという信念で、どんな土地でもとりあえず根を生やしていきていこうとするタイプなので、基本的に住む場所へのこだわりはあまりありません。

そういう意味で「日本ならこうなのに…」となることが少ないので、結局は好みの問題になるかなぁというのが正直な所です。

日本という国と比べて、外国は外国で不便に思うこともあるし、気楽なこともあり、「北米と欧州、日本をふんわり比較する」の章で詳しく触れますが、どこの場所も良し悪しがあります。

まだ他の土地も見てみたい気持ちはありますが、私にとっての暫定1位は欧州ですかね。

外国に住む、となると大変なことは多くなりますし、言語や文化が違うという難しさはありますが、結局は慣れな所もあります。

ただ、外国に住む体験をして、とにかく自分にとってプラスになったことは、日本以外にも文化や勝手をそれなりに理解している場所があるという感覚を持てること。

一つの国、文化、人々しか知らなければ、そこから外れること、村八分になることは社会的死に近い感覚を味わうと思いますが、それ以外の場所を知っていれば、次の場所に向かえばいいだけの話。

北米なんかはそれなりに日本人もいますし、コミュニティが乱立している場所なので、選択肢としては悪くない場所だと思いました。

その選択肢を持った状態でずっと日本に住み続けるのもアリだと思いますし、フラフラと居住を変えるのもいいと思います。

違う場所、違う空間に自分が居られるという選択肢を持つことが出来るのが、外国にしばらく住んでみることのメリットかなぁと。

 

 

最後に、目標を持つことの重要性を改めてこの留学で実感しました。

後から振り返ってみると、相当いろいろと成し遂げているように見えるこの留学ですが、がーっと1日2日で努力をすれば芽が出てくるようなものではなく、寧ろ成果が見えない日々のほうが多いです。

成果を実感し始めたのは本当に最後の頃、副業の2店舗目オープンを手伝ったり、フルタイムでのプロジェクトをまとめる時とかでした。

でも、最後になれば必ず成果が見えるかというとそうでもなく、成果が見えなくても、先が長くても小さな努力をしないといけないことは多い。

だからこそ、何を成し遂げたくてこの努力を重ねているのか、そもそも目標は何だったのかと逐次振り返っていくことが重要だなぁと思います。

努力をしようとしても、自分がやっていること、努力していることに対しての意味を見出せず、やる気が出ないタイミングは、この留学中いくらでもありました。

最近だとやる気なんて存在しない。習慣化するのが大事、というのもありますが(それも正しいと思いますが)、そもそも何を目指して行きたいのか、自分にとっての北極星は何かを問い続けることが前提にあるような気がします。

留学の話に落とし込むなら、メンタルが低下していた時なんかは、なんでこんなつらい思いをしてカナダにいるんだろうと思いましたが、自分が一番初めに掲げた目標があると、やっぱりやりきりたいという気持ちになりました。

見知った土地と文化と、大事なものを置き去りにしてまでやってみたかったこと。

目標自体が自分がどうしても達成したいと思えるものじゃないと難しいかもしれませんが、コンスタントに努力をするモチベに繋がるとは思います。

 

北米、欧州、日本とふんわりと比較して思うこと

北米、欧州は1年くらいしか住んでいないので、文化の根本を捉えられているかは分かりませんが、自分の経験と元にふんわりと文化を比較してみました。

まずは日本から。日本は米国との対比から集団主義的(collectivism)とかいわれることが多いですが、葉月的には「所属主義」のほうがしっくりきます。

学歴や会社などのその人が所属している場所、地位でその人「自身」を判断しているような印象とでもいいましょうか。

そう思う一番の理由が、現地の日本人と話をした時にほぼ確実に東大の話を振られることです。

東大生もそれなりにレアだとは思うんですけれど、ここまで毎回「え、東大なの、すごいね頭いいんだね」的な反応をされると、もはやこれは日本人の思考回路なのではと思わざるを得ませんでした。

あとは自分が他人に紹介をされる時に確実に「東大の人で~」みたいな情報を加えてくることもありますかね。

集団主義との関係性を考えてみましたが、集団の「印象(偏見)」に囲まれるという意味で、その印象に馴染もうとすれば集団主義的というか全体で統一された何かに見えるんじゃないかなぁとか思ったり。

社会的にもてはやされる地位を手にすれば、「いい」偏見に囲まれるという意味で生きやすいとは思いますが、集団の中に馴染む、周りからその集団の偏見と比べられるというのが苦手に感じる人にとってはかなり生きづらい場所かなぁと思います。

 

次は欧州。西欧と東欧で変わってきますが、西欧の価値観について書いていきます。

欧州は理想主義なイメージが葉月の中にあり、社会や国の統一(≒EU)を中心にしながらも、新しく勃興する価値観とどう上手くやるか模索している印象です。

例えば人権、移民やLGBTQの話など、時代が進むにつれて波及していった価値観については、欧州の掲げる「理想」に沿うように、人道的というか「理想」を主軸にして思考が進んでいるような気がします。

いかんせん歴史と文化の厚みが深く、多くの下地、素養が文化の中に含まれますので、それを理解する、慣れていかないと暮らしにくいと思うかもしれません。

日本人として行くことのマイナス面というと、やっぱり根強く人種差別の意識が残っている所かなぁと。

この時代、表立って差別をしてくるやつはそうそう見かけないと思いますが、ふと怒った瞬間や、無意識的に出てくる差別はまだまだあるなぁと思います(2016~17年の体験なので、Covidを経てどうなっているのか気になる所です)。

まぁ日本人というよりも、アジア人として欧州に行くことのマイナス面、と主語を設定するほうがより的確な気はしますが。

EUの理想は葉月的にもちょっとキモイと思わなくもないですが、Noblesse obligeの精神なのか、最低限の生活がかなりしっかり保障されていること、欧州を理解しようとしている人に対しての優しさは格別だと思うので、かなり住みやすいほうなんじゃないかなと思います。

ただ日本と違って、暗黙知として文化を理解しないといけないというよりは、「移民」という立場から文化を学ぼうとしている、えらい! みたいな感じで優しいので、若干上からな感じがするのが気に食わないと思う人も居るような。

 

さて最後は北米です。ここの土地は何といっても個人主義と資本主義。

社会に統一感なんかあったもんじゃないし、どんな組織や場所にいても自分は自分、自分のしたいことをする、といった感覚が浸透しています。

また移民大国なので、小さくコミュニティが点在しつつも多文化となり、ピンポイントで差別されることは少ないんじゃないかと。なんなら日本人は礼儀正しいと高評価な印象です。

ただ悪く言えば、社会の中に芯の通った規範、道徳がなく、個人個人が自由に生きるというのと、好き勝手やりたいように生きるというのを取り違えてる人があまりにも多いような気が。

また個人として生きる分、自分の上位互換に上から叩かれることも多々あります。特に競争とかだと顕著になりますが、上位互換がいたらほぼ勝てないんですよね。お情けとか平等とかよりも競争で優劣が決まっていく精神が沁みついている感じ。

そんなことはありますが、個人は個人として社会からの枷が少なく生きられるので、統一感とか集団といった、集団社会の風潮が嫌いな人には肌に合う場所だと思います。というか、欧州や日本のように、文化素養(歴史)がそもそも深くないので、ふらっと移民して定着出来る場所として、多分誰が行ってもそれなりに楽しいと思います。

 

これからの生き方の方向性など

さて、今までに書いてきたような経験をこの1年で積んできましたが、大学の学部残り1年間は自分の知らない世界の探検に時間を使いたいと考えています。

この留学を経て、文化においても、自分自身においても、社会においても、自分の知らないことが広がりました。

ここから先、これまでカナダで移民生活を1年体験しましたが、これをもっと広げてジオノマド生活をしてみたいなぁと考えています。

東南アジア、東欧や南米など、また違った価値観が存在する世界を見て回ってみたい。

世界は狭くなったようで、まだまだ広く、未知に溢れていると思いました。北米という地域もまだ探索し尽くしていないし、なんなら日本すらもまだ自分が知らない場所が沢山存在しています。

ベルギーから帰国した時も同じことを思ったけれど、やっぱり自分の知らない世界をまた探検したくなりました。

そうした中で、自分の能力や価値観を人に伝えていく、話していくといいますか、求道者であり他者をinspiringさせられる人間でありたいと思っています。

 

仕事面でいうと、ウェブサイトのトラッキング導入の実務経験を少し積んだおかげで、データ収集の基盤の作成はかなり具体的なフローがイメージ出来るようになりました。

なので、次はもう少し上のレベルというか、営業や要件定義にも通ずる、そのデータ収集がどういったメリットをもたらしてくれるのかを具体的に言語化出来るようにしていきたいなと考えています。

ボスキャリで一応内定はもらっているので、とりあえず3~5年を目安にきちんとITとかデータの活用法の知識を固めていく予定です。

データアナリスト辺りの職業をぼんやりと考えていますが、何だかんだこっちで学んだウェブアナリストの知識やマインドセットも活かせるような気がするので、しばらくはそんな感じの仕事をしていようかなぁと。

 

 

まとめっぽいもの

いろんな側面からこの1年+αの経験を書こうとしたらすごい文字量になってしまいました汗。

後悔がない訳ではないですし、やりきれなかったことも多いですけれど、自分的に満足のいく頑張る期だったかなと。

また日本に帰ってもいろいろ人生を模索していきたいと思います。

最後に、この記事が、新たな価値観や考え方、視点を提供する一助になれたら、葉月としてはこの上なく嬉しく思います。

それではノシ