葉月のまったりブログ

中の人の日常体験とか思ったこととかを雑記的に記していくそんなブログです。

「留学ってお金持ちの道楽でしょ?」に対して

皆様こんにちは。葉月です。

 

只今カナダに留学しておりまして、日本人に人気の留学先だからか、ベルギー留学の時よりは多くの日本人を見かけます。滞在理由も様々な印象で、よくも悪くもいろんな人がいるなぁと思うばかりです。

 

今回のタイトルは若干釣りな気がしなくもないのですが、留学している今、留学に対して(特に留学生に対して)思うことをいろいろ書いてみようと思い、こんな記事タイトルにしてみました。

私自身は留学に対して肯定的ですし、いける機会やモチベを感じたなら行くべきだとも思っています。

ただ、「留学ってお金持ちの遊びでしょ?」という、留学に対して否定的な意見もあるのは事実で、私もそれを否定出来ません。

正直金はめちゃかかります。私のケースなら、今回の留学でかかる費用はざっと250万くらいです(大学院留学や財団、企業での留学、有名大学での留学では奨学金を狙いやすいので比較的安く済ませることが可能ですが、私は私費留学を選んでるので金がかかっています)。

 

今回の記事の視点としては、留学、留学生について「お金持ち(→金がかかる / その金を支払うことが出来る)」という観点と「道楽(→学んでないと思われている / モラトリアム?)」の2点から考えていきたいと思います。

ここでの「留学」は、交換留学、私費留学を念頭に置いていますが、たまに混同されるワーキングホリデー(ワーホリ)にも言及しています(長期留学は何も知らないのでこの記事では触れません)。

 

お金持ち

1. 留学生の消費癖

留学している大学生と、日本で普通に暮らしている大学生の違いは何かと考えると、私の周りだけかもしれないですが、留学生が全体的に消費癖が強いように感じます。毎日の昼ご飯としてファストフードやドーナッツをつまんだり、休憩時間になったら外に出てコーヒーを買ってきたりしますし(もちろん人によりますが)。

少なくともカナダだと街中でコーヒーを片手に歩いている人を沢山見かけますので、そういう消費生活スタイルに合わせようとした結果なのかと思ったりしますが、日本でもそうだったっけか(印象がない……)。

もう少し考えると、「現地のものを楽しまないと」という、ある意味では時間的に逼迫した思いがあるからでしょうか。何か「現地でしか出来ないこと」と、「金を使っていろんなことをすること」(食や観光、旅行とか)が結びつきすぎているような気がします。

または、通貨が違うのでこの国の中で稼いだお金は使い切りたいという思いがあるのでしょうか。日本という「しがらみ」がないので、「旅の恥は掻き捨て」といった風に金を使いたい、遊びたいという精神があるようにも感じます。

現地の人のライフスタイルに合わせてみるのもいいとは思いますし、食や旅行、そこにしかない博物館に行く、などの楽しみを見出すのも留学の楽しさだと思いますが、私としては、それが本当に留学の目的なのかな? と思ってしまいます。

 

2. 留学ってそもそも一人暮らしをするようなもの。

一人暮らしをしたことがある人なら分かると思いますが、家賃や食費など、実家暮らしだとあまり意識しなかった部分で費用がかかっており、生きるのに結構お金がかかるんだなぁと思うことがあると思います。

日本の場合ですと、家賃+食費+交際費+諸々雑費でざっくり12~13万くらいでしょうか。国の物価指数によっても変わってきますが、例えばカナダなら同じくらいのお金がかかり、1年間だと144~156万 (+通うなら学校代)がかかります(ブログ最後の補足参照)。

これに加えて、保険や旅費、携帯や身の回りのものなどで、初期費用もまぁまぁ嵩むのが事実で、為替差とかでもわりとお金をもっていかれます。まぁ言ってしまえば、私立大学に一人暮らしをして通うのと変わらない費用がかかるのが留学、と考えると分かりやすいかもしれません(そう考えると、日本での大学生活も中々コストがかかる暮らしですね)。

就労をするので無ければ、一年分の生活コスト+αを賄えるだけの費用を予めもっておかないと金銭的に非常に不安な生活になります。

ビザ申請の際に資金証明を求められることもありますので、資金を持っていないとビザが下りないという側面もあり、未来の1~2年の資金を用意できた上で留学が候補に入ってくるというのが現実的な所だと思います。

そうなると、未来数年分のまとまった資金を用意出来る≒お金持ちというイメージになるのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。

 

*上では資金がある程度必要と書きましたが、国や自治体、学校レベルでも海外支援を行っている所はとても多いので、留学と奨学金を同時並行で進めることを葉月は強くお勧めします。奨学金をもらうハードルは総じて高いですが、お金をもらうためとはいえども、奨学金の書類を書くことは留学へのモチベを相当高めますし、何より「こういう目標を掲げて頑張ろうとしたんだから」という思いが自分を支えてくれます。

 

 

道楽

「お金持ち」の部分でも触れましたが、何かを食べた、どこかに旅行に行ったという行為をすると、その留学生の中で、体験として沈積していきます。こうした体験は言語化が簡単で、言語が拙かった人は、言語の成長も目に見えるものとして感じると思います。

しかし、内面の変化や考えの変容なんて言語化するのが難しく、ともすれば「何か分からないけど成長した」っていう状態になってしまうことが考えられます(私もベルギーからの帰国直後はこんなんだったような…)。大学生の留学がメジャーになってきた分、留学生が語る話は、分かりやすく言語化ができる表面的な体験の話題に偏るかもしれません。

成長度合いは人によって異なると思いますが、少なくとも異国で、ある程度の期間生き抜けばそれなりに成長しているはずです。でも、言葉として具体的に語られない内面部分の成長が分かりづらい、語られないことで、表面的な体験を聞いた人からすると、ただ旅行している、遊びに行っただけという風に聞こえてしまう気がします。

 

また、語学学校において、ESL第二外国語としての英語勉強)を終えた留学生の英語を聞いていると、レベル感が人によって大きくばらついているように感じます(n=20くらいですが…)。つまり、言語を学びにいった留学なのに、帰国してきた留学生を見ても、人によってはあまり言語が伸びたような気がしないというのが勉強してきたと思われない理由の一つなのかなとも思いました。

英語のアクセントについても思うものがありますが、移民の街バンクーバーだといろんな国のアクセントの英語に慣れないといけないので、英語っぽくないアクセントに難癖をつけるのはあまり良くないかな()

そして、日本人に限った話ではありませんが、母国語をシェアする人たちで固まり、英語を話そうとして異文化交流に挑戦している人をあまり見かけません。まぁブログとかだと「俺はこんなに挑戦して英語力がついたんだぜ」と書いている留学記事がめちゃいっぱいありますけどね…。

留学に行く数が多いから、自分の体験に誇りを持っている人が発信していき、インターネットに溜まっていく感じですかね。書かれていることが本当に内実伴っているのかは不明ですが。

移民の街であり、語学学校がたくさんあるバンクーバーですので、それを目的に世界から人が集まります。ただ、世界中から人が集まれば国際交流が起こるかと言えばそうではなく、国同士や地域同士などの「気楽な繋がり」「内輪」でまとまることが殆どです。(個人的にカナダに来て大きな発見だと思ったので強調してみました)

母国語をシェア出来る人がいれば頼りたくなる気持ちも分からなくもないですが、授業を受けていれば英語が身につく訳ではないのは、中高で英語の授業を受けてきた人なら想像に難くないと思います。もちろん英語を効率的に教えるメソッドなどはあるのでしょうけれども(そうでなければあの授業料は高い…)、本気で言語を伸ばしたいなら触れる量と質を高めないことには始まりません。

しかし、語学学校に通っていれば英語力がつくというイメージが存在すること、そして日常会話が出来ればいいと思っている人が大半なのでしょうか。ESLを受けたわけではないので、ESL上がりの留学生を見た感想でしかないですが。

学校にもよると思いますが、語学学校や専門学校はそこまで忙しくないです。授業の予習復習をがっつりしてバイトをしても、自分の独学をする時間が残ります。なので、授業時間以外では何でも出来るんですけれど、何でも出来るが故に「休日」として消費してしまう、遊びに時間を使ってしまうケースが多くなるんじゃないかなぁと思います。

 

ワーホリについて

さて、留学と混同されやすいワーキングホリデーについてですが、これは厳密に言うと留学ではないです。

違う国に留まって、何かしら勉強をするのが留学ですが、ワーキングホリデーは(ワーホリ)は、現地で働いたり学校に通ったりすることが出来る観光ビザです。いろんなことが出来る観光のようなイメージでしょうか。

ワーホリは、ただの観光ビザでは出来ない、就労や学校を加えた海外体験を求めてやってくる人が多く、ワーホリでカナダに来ている日本人は、がっつりレストランなどで働いている人が多い印象があります。

しかし、別に就労をする必要もなく、長いバカンスを楽しむためにワーホリを使うことも可能です。ホリデーと名がついている通り、「休み」なので、かなり自由に海外で時間を過ごすことができ、旅行をしたり、がっつり働いたり、学校に行ってみたりすることが出来ます。

このワーホリが「留学」(≒海外に行くこと?)と結びつくと、遊んでいるように思われるのかもしれません。ワーホリはそもそもホリデーですから、それに対して「留学をしているはずなのに道楽だ」と否定するのも変な感じです。

留学に興味をもって調べてみると、意外に留学の種類が多いことに驚く人もいると思いますが、それを知らない人からすると、海外に行ったのに遊んでばっかいる人間もいる、と否定的に捉えてしまうような気がします。

 

 

まとめというほどのものでもないですが、「留学ってお金持ちの道楽でしょ?」という言葉に対して私が答えるなら、「お金持ちは正直事実だと思う。でもあまり道楽だとは思わない。どれくらい成長するかどうかはその人次第だけど、言語化しにくい部分で遊びとは違った成長をしていると思う」といったところです。

海外に行くことがそれほど特異なことではなくなった今は、留学(異国の地に滞在して学ぶこと)の特別感が薄れているのかもしれません。寧ろだからこそ、留学が道楽になるか学びになるかはその人が努力するかであり、やるかやらないか、という次元になるのでしょう。

留学が目的ではなく、手段だと考えるといいのかもしれませんね。

 

補足

途中で紹介した物価の話の参考リンクです。

ふとデータを眺めてて思ったのですが、日本の外食指数がかなり低いんですね。韓国も低め。日本で友達を誘う時に「ご飯食べに行こう」というのが多いのはこういうところもあるのかな?(カナダでよくある誘い文句は「コーヒー飲みに行こう」なので)

https://www.numbeo.com/cost-of-living/rankings_by_country.jsp

 

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

留学を2回体験している身として、この記事は書いておきたかった。